「同じ処方箋なのに薬局によって会計が違う!」後発医薬品調剤体制加算のよくあるケースを薬剤師が解説
「ドラッグストアに併設の薬局と、病院の近くの薬局で処方してもらったら、同じ薬なのに会計が数十円〜数百円違った」「明細書に"後発医薬品調剤体制加算"という見慣れない項目があった」——そんな経験をされた方の疑問をもとに、今回は薬局によって会計が変わる理由の一つ「後発医薬品調剤体制加算」について、よくあるケースをまじえて解説します。
- 「後発医薬品調剤体制加算」とは何か、なぜ薬局によって料金が違うのか
- 同じ処方箋で薬局によって会計が変わるケースの実際
- この加算がある薬局は「ジェネリックを積極的に出す薬局」であるという意味
- 加算込みでも薬局を選ぶメリット・デメリット
- 薬代を抑えるために患者側でできること
よくあるケース:「同じ薬なのに500円以上違う!?」
高血圧と高コレステロールのため毎月薬局に通っている60代の方のよくあるケースです。長年通っている薬局が閉まっていたため、近くの別の薬局を利用したところ、会計が前回より数百円高くなっていることに気づきました。
「同じ処方箋なのに、なぜ高いのか」とレセプト(明細書)を確認してもらったところ、今まで通っていた薬局にはなかった「後発医薬品調剤体制加算」という項目が計上されていました。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の調剤割合が一定以上(目安として75%超)の薬局に対して、診療報酬(調剤報酬)として加算される点数です。点数は薬局のジェネリック普及率に応じて段階的に設定されています(10円/1点)。患者が直接支払う金額に反映されるため、薬局によって数十〜数百円の差が生じます。
つまり、「後発医薬品調剤体制加算」を請求している薬局は、ジェネリック医薬品を積極的に調剤している薬局であるということを示しています。この加算は厚生労働省がジェネリックの普及を推進するために設けた仕組みで、一定水準を達成した薬局が加算を請求できます。
「ジェネリックを出している薬局の方が高い」は本当か?
一見すると「ジェネリックを出しているのに、なぜ加算で料金が上がるの?」と思われがちです。ここが多くの方が混乱するポイントです。
| 項目 | 加算あり薬局 (ジェネリック率高) |
加算なし薬局 (ジェネリック率低) |
|---|---|---|
| 後発医薬品調剤体制加算 | あり(数十〜数百円) | なし |
| 薬自体の価格(先発 vs ジェネリック) | ジェネリックで割安 | 先発品で割高になりやすい |
| トータル薬代の傾向 | 加算込みでも安くなる場合が多い | 加算はないが先発薬代が高い |
先発薬とジェネリック薬の価格差は、薬によっては1日分で数十円〜100円以上になることもあります。1か月・1年で積み上げると、後発医薬品調剤体制加算分を大きく上回る節約になるケースがほとんどです。
「後発医薬品調剤体制加算が請求された=なんか損した」というわけではありません。ジェネリックに変えていれば、薬自体の代金が安くなっている分でこの加算分を十分に取り戻せていることがほとんどです。明細書の一項目だけ見て判断せず、薬代の合計で比較することをおすすめします。
「先発薬のまま使っている場合」はどうなる?
ジェネリックへの変更を希望せず、先発薬のまま処方されている場合は少し状況が変わります。
先発薬を希望したままの場合でも、薬局が「後発医薬品調剤体制加算」を請求することはあります(薬局全体の後発医薬品調剤割合で決まるため)。ただし、2024年10月から始まった選定療養(長期収載品)の対象薬であれば別途「選定療養費」が発生しますし、先発薬自体の薬価分が薬局の加算以上に高くなります。
- ジェネリック普及率が高い薬局が請求できる加算(診療報酬制度の仕組み)
- 患者が直接支払う数十〜数百円の追加分として明細書に記載される
- ジェネリックに切り替えていれば、薬自体の安さで加算分をカバーできることがほとんど
- 加算があるかどうかは薬局選びの参考にできるが、薬代全体のトータルで比べることが大切
- 疑問があれば薬局の薬剤師に「明細のこの項目は何ですか?」と聞いてOK
薬代を抑えるために患者側でできること
薬局の加算や薬価の違いを意識しながら、患者側でも次のような工夫で薬代の節約につながります。
- ジェネリックへの変更を薬剤師・医師に相談する:処方箋に「後発品への変更不可」と書かれていなければ、薬局で申し出ると変更できます
- 明細書の内容を確認する習慣をつける:「なんか高い」と感じたときは、加算・選定療養費・一包化加算など項目ごとに内訳を確認しましょう
- お薬手帳を活用する:持参すると「手帳管理料」が算定され、薬局側の加算が変わることがあります。また複数の薬局での重複投薬も防げます
- かかりつけ薬局を決める:薬剤師が服薬歴を把握しているとジェネリックへの変更や残薬調整もしやすくなり、無駄な薬代を減らせます
- 「後発医薬品調剤体制加算」は、ジェネリック普及率が高い薬局に認められる診療報酬の加算
- 明細書にこの加算があっても、薬自体がジェネリックに変わっていればトータルで安くなる場合がほとんど
- 「加算がある薬局=ジェネリックを積極的に扱っている薬局」という見方もできる
- 薬代の疑問は、遠慮なく窓口の薬剤師に質問してください
薬局の会計でわからないことがあれば、領収書・明細書をお持ちのうえ、かかりつけ薬局の薬剤師にご相談ください。薬代の節約につながるアドバイスができる場合があります。