【現場の実話】「薬代が高くなった気がする」の正体と、ジェネリックで薬価が約半額になった話
今回はいつもの制度解説とは少し趣向を変えて、私が薬局のカウンターで実際に経験した「お金の話」を2つご紹介します。どちらも、読者のみなさんの薬代節約にそのまま役立つエピソードです。
- 「薬代が高くなった気がする」と感じたとき、最初に確認すべきポイント
- 処方日数と支払額の関係(実は長期処方のほうがお得な理由)
- 高い薬ほどジェネリックの節約効果が大きい実例(薬価が約半額に)
- 薬局で遠慮なく聞いていい質問フレーズ
実話①「いつもより高くなった気がするんやけど」
お会計のとき、患者さんにこう言われたことがあります。
処方内容を確認すると、お薬の種類は前回とまったく同じ。違っていたのは処方日数でした。前回より日数が増えていたのです。
30日分が60日分になれば、薬そのものの代金(薬剤料)は約2倍。1回の支払いだけ見れば「高くなった」と感じて当然です。領収書をお見せしながら「お薬は変わっていません。日数が増えたぶん、お薬代が増えています」とご説明したところ、「なんや、そういうことか」と納得していただけました。
- 支払額が変わったら、まず領収書の「日数」と「薬剤料」を前回と比較
- 長期処方は来局回数が減るので、受付ごとにかかる技術料の回数も減る=トータルでは節約になることが多い
- 「1回いくら」ではなく「1日あたりいくら」で考えるのが正解
実話② DOACのジェネリックで薬価が約半額に
血液をサラサラにするDOAC(直接経口抗凝固薬)は、脳梗塞予防などに欠かせない薬ですが、新薬として登場して以来薬価が高いことでも知られていました。毎日飲み続ける薬なので、自己負担の重さを気にされる患者さんは少なくありません。
そのDOACにジェネリック医薬品が登場したとき、当薬局でも切り替えをご案内しました。結果は──
毎月の自己負担も目に見えて下がり、患者さんにとても喜んでいただけました。
ここで大事なのは、ジェネリックの節約効果は「もとの薬の値段」に比例するということ。もともと安い薬なら差は数十円ですが、DOACのような高額薬では月単位・年単位ではっきり家計に効く差になります。
- 高い薬を長く飲んでいる人ほど、ジェネリック切替の恩恵が大きい
- 切替は患者さん側から言い出してOK。「ジェネリックにできますか?」のひと言だけ
- 効果・安全性は先発品と同等と国が審査済み。不安な点は薬剤師に確認を
カウンターの内側から伝えたいこと
2つの実話に共通するのは、「聞いてくれたら、ちゃんと答えられる」ということです。薬代の内訳を説明するのは薬局の義務であり、聞かれて嫌な顔をする薬剤師はいません。むしろ「疑問をそのままにせず聞いてくださってありがたい」というのが本音です。
「高くなった気がする」「もっと安くならないか」──そんなときは、領収書を持って遠慮なく薬剤師に声をかけてください。
もっと詳しい実体験は「現役薬剤師の実体験コラム」に、技術料が高めか安めかのセルフチェックは無料診断ツールでどうぞ。
文=尾崎拓也(薬剤師・プロフィール)