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健康サポート薬局と地域連携薬局の違い|2027年5月の制度変更も解説

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尾崎 拓也(薬剤師・調剤薬局経営者)が執筆・監修
和歌山県内で調剤薬局を経営。本記事は現役薬剤師としての実務経験と公的資料に基づいています。 プロフィールはこちら

薬局の入口やホームページで「健康サポート薬局」「地域連携薬局」という表示を見かけたことはありませんか。どちらも、国が定めた基準を満たした薬局だけが名乗れる表示です。

結論から言うと、健康サポート薬局は「病気になる前の健康相談」に強い薬局、地域連携薬局は「入退院や在宅医療で病院・診療所と連携する」薬局です。名乗ること自体に専用の料金はなく、選ぶときは「自分が何を相談したいか」で決めるのが近道です。なお、健康サポート薬局は2027年5月20日から「健康増進支援薬局」という認定制の薬局に変わります。

※この記事は、厚生労働省・東京都などの公表資料をもとに制度のしくみを一般向けにまとめたものです。各薬局の具体的なサービス内容は薬局ごとに異なります(2026年10月時点)。
📋 この記事でわかること
  • 健康サポート薬局・地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の違い
  • それぞれの薬局が満たしている主な基準
  • 2027年5月に始まる「健康増進支援薬局」で何が変わるか
  • 薬代は変わるのか
  • 近くの対象薬局を調べる方法

3種類の「機能のある薬局」を一覧で比較

国の制度で名前が決まっている薬局は、2026年10月時点で次の3種類です。どれも「その名前を表示するには基準を満たす必要がある」という点が共通しています。

種類 得意なこと 手続き 始まった時期
健康サポート薬局 市販薬・健康食品の相談、健康づくりの支援、適切な医療機関や行政窓口の紹介 保健所等への届出 2016年10月
地域連携薬局 入院・退院時の医療機関との情報共有、在宅医療、夜間・休日の調剤体制への参加 都道府県知事の認定 2021年8月
専門医療機関連携薬局 がんなど専門的な治療を受ける人の薬学管理(専門医療機関との連携) 都道府県知事の認定 2021年8月

健康サポート薬局とは:病気になる前から相談できる薬局

健康サポート薬局は、かかりつけ薬局としての基本的な機能に加えて、地域の人の健康づくりを積極的に支援する薬局です。厚生労働省の通知(平成28年2月)で基準が定められ、2016年10月から届出が始まりました。主な基準は次のとおりです。

  • 研修を修了した薬剤師が常駐している(市販薬や健康食品の助言、健康相談、適切な専門職・関係機関への紹介について研修を受けた薬剤師)
  • 平日は連続して開いており、土曜日か日曜日のどちらかにも4時間以上開いている
  • プライバシーに配慮した相談スペースがある
  • 地域の医療機関や行政の窓口などと連携する体制がある
  • 健康サポート薬局である旨を表示する前に、基準を満たすことを示す書類を添えて届け出ている

「最近血圧が気になるけど病院に行くほどか分からない」「サプリと薬の飲み合わせが心配」といった、受診の前の段階の相談をしやすいのが特徴です。

地域連携薬局・専門医療機関連携薬局とは:病院と連携する薬局

2021年8月の改正薬機法の施行で、都道府県知事が認定する「認定薬局」の制度ができました。認定を受けた薬局だけがその名称を名乗れます。

  • 地域連携薬局:入院するときに飲んでいる薬の情報を病院に伝える、退院時の打ち合わせに参加するなど、医療機関と情報をやり取りしながら、在宅医療も含めて一人の患者さんを継続して支える薬局です。夜間・休日の調剤体制への参加も求められます。
  • 専門医療機関連携薬局:がんの治療を受けている人など、専門的な薬の管理が必要な人を、専門医療機関と治療方針を共有しながら支える薬局です。がんに関する専門性の高い薬剤師の配置が求められます。

通院が難しくなって薬を届けてもらう場合のしくみと費用は、在宅の薬代と訪問薬剤管理指導の記事でくわしく解説しています。

2027年5月から何が変わる?「健康増進支援薬局」への移行

2025年の薬機法改正を受けて、厚生労働省は2026年6月30日に関係する省令を公布し、2027年5月20日から次のように変わることが決まりました。

〜2027年5月19日 2027年5月20日〜 健康サポート薬局 届出制 健康増進支援薬局 知事の認定制(認定薬局に) 地域連携薬局 地域連携薬局 在宅医療の拠点として役割を明確化 専門医療機関連携薬局 専門医療機関連携薬局
  • 健康サポート薬局は「健康増進支援薬局」になり、届出制から都道府県知事の認定制に変わります。認定は1年ごとに更新が必要になり、行政や地域の医療機関・団体と連携した健康づくりの活動の実績なども確認されるようになります。
  • 地域連携薬局は、在宅医療の拠点としての役割がより明確になり、健康増進支援薬局との役割分担がはっきりします。

利用する側から見ると、「名前が変わる」だけでなく「毎年チェックを受けた薬局だけが名乗れる」ようになるのがポイントです。表示の信頼性が高まると考えてよいでしょう。

薬代は変わる?

健康サポート薬局や地域連携薬局を名乗っていること自体を理由とした専用の料金(加算)はありません。窓口で払う金額は、他の薬局と同じく調剤報酬のルールで決まります。

ただし、こうした薬局は夜間・休日の対応や在宅医療に積極的なことが多く、その体制に対する「地域支援体制加算」などを届け出ている場合があります。加算のしくみは地域支援体制加算の記事で図解しています。会計のわずかな差よりも、夜間の相談や在宅への対応が必要かどうかで選ぶのがおすすめです。

近くの対象薬局を調べる方法(医療情報ネット)

厚生労働省の全国統一の検索サイト「医療情報ネット(愛称:ナビイ)」で、条件を指定して探せます。

  1. 医療情報ネット(ナビイ)を開き、「薬局を探す」を選ぶ
  2. 住所や地域を指定する
  3. 詳しい条件の検索で、健康サポート薬局の表示や、地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定の有無にチェックを入れる
  4. 候補の薬局の開店時間・相談できる時間・在宅対応などを確認する

候補が見つかったら、一度処方箋を持って行って相談のしやすさを確かめてみましょう。決め方の手順は「かかりつけ薬局」の決め方の記事も参考になります。

こんな人には、この薬局

こんな人 向いている薬局
市販薬やサプリの選び方、健康診断の結果について気軽に相談したい健康サポート薬局(2027年5月以降は健康増進支援薬局)
入院・退院の予定がある、家族の通院が難しくなってきた地域連携薬局
がんの治療中で、飲み薬の副作用や飲み方を専門的に相談したい専門医療機関連携薬局
🏥 相談・受診の目安
  • 体調の変化が続いている、薬を飲んでも改善しない場合は、薬局で相談したうえで早めに医療機関を受診してください。
  • 認定の有無にかかわらず、薬の飲み合わせや副作用の心配はどの薬局の薬剤師にも相談できます。
📝 まとめ
  • 健康サポート薬局=受診前の健康相談に強い薬局(届出制、2016年〜)
  • 地域連携薬局=入退院・在宅医療で医療機関と連携する薬局(知事の認定、2021年〜)
  • 専門医療機関連携薬局=がんなどの専門的な薬学管理に対応する薬局(知事の認定、2021年〜)
  • 2027年5月20日から、健康サポート薬局は認定制の「健康増進支援薬局」に変わる
  • 名乗ること自体に専用の料金はない。探すときは医療情報ネット(ナビイ)が便利

参考資料

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療・服薬指導の代替となるものではありません。体調や薬について気になることがあれば、医師・薬剤師にご相談ください。制度・金額は公開時点の情報に基づきます。詳しくは利用規約・免責事項をご覧ください。

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