薬局の「調剤料」とは?薬の種類・日数・剤形で変わる仕組みを図解
薬局の領収書をよく見ると、「調剤料」という項目があります。調剤基本料と並んで調剤技術料の大きな柱をなすこの費用、実は薬の種類・剤形・日数によって細かく点数が変わります。この記事では調剤料の仕組みと、費用に影響する要素をわかりやすく解説します。
① 調剤料とは?
調剤料とは、薬剤師が実際に薬を調製・準備する作業に対して算定される技術料です。調剤基本料が「処方箋を受け付けること」に対する料金であるのに対し、調剤料は「薬を実際に用意すること」に対する料金です。
同じ処方でも、薬の剤形(錠剤・散剤・液剤・外用薬など)や日数によって点数が変わります。そのため、慢性疾患などで長期間同じ薬を受け取り続けると、調剤料が積み上がっていくことになります。
② 剤形別の調剤料の仕組み
調剤料は大きく「内服薬」「外用薬」「注射薬」の3区分に分かれており、それぞれ算定方法が異なります。
内服薬(飲み薬)
内服薬は「剤」×「日数」で点数が決まります。ここで言う「剤」とは、服薬タイミングが同じ薬のまとまりのことです。
内服薬の日数と調剤料(1剤あたり)
| 日数 | 1剤あたりの点数(目安) | 3割負担の目安 |
|---|---|---|
| 1〜7日分 | 日数×4点 | 7日分で約90円 |
| 8〜14日分 | 28点+(日数-7)×2点 | 14日分で約120円 |
| 15〜21日分 | 42点+(日数-14)×1点 | 21日分で約150円 |
| 22日分以上 | 49点(上限) | 約150円 |
日数が増えるほど点数は上がりますが、22日以上は上限に達するため、長期処方でも無制限に増えるわけではありません。なお、以上はあくまで目安であり、実際の点数は薬の種類によっても異なります。
外用薬(塗り薬・点眼薬・貼り薬など)
外用薬は「調剤した種類数」で点数が変わります。1種類ごとに一定の点数が算定されます(目安:1種類10点程度)。日数による変動はありません。
注射薬
注射薬(在宅自己注射用など)は1調剤につき一定点数が算定されます。日数や種類よりも、処方の複雑さによって点数が設定されています。
③ 「剤」の数が費用に影響する
内服薬では「剤」の数が重要です。たとえば、朝食後に飲む薬が2種類あっても、同じタイミングに飲むものはまとめて「1剤」として扱われます。一方、朝食後と夕食後に分かれている場合は「2剤」となり、それぞれに調剤料がかかります。
服薬タイミングが同じ薬 = まとめて「1剤」
タイミングが違う薬はそれぞれ別の「剤」としてカウントされます
| 服用タイミング | 薬の種類 | 剤の数 |
|---|---|---|
| 朝食後のみ | 血圧の薬・コレステロールの薬 | 1剤 |
| 朝食後・夕食後 | それぞれ別の薬 | 2剤 |
| 毎食後・就寝前 | 各タイミングで別の薬 | 4剤 |
複数の医療機関から処方箋をもらって薬が増えると、剤数も増えて調剤料が上がる場合があります。同一薬局にまとめることで「1剤」にまとめられるケースもあるため、かかりつけ薬局を持つことはコスト面でもメリットがあります。
④ 一包化(いっぽうか)すると加算がかかる
複数の薬を1回分ずつ袋にまとめる「一包化(いっぽうか)」を依頼すると、一包化加算が別途算定されます。飲み間違いを防ぎたい方や、高齢の方の管理に役立つサービスですが、その分自己負担は増えます。
- 一包化加算:43点(7日分まで)、それ以上は日数に応じて加算
- 3割負担の場合、7日分だけで約130円の追加負担が目安
長期処方(28日分など)の一包化では、数百円の追加負担になることもあります。必要性と費用を天秤にかけて判断しましょう。
⑤ 長期処方で調剤料を抑えるには
慢性疾患などで同じ薬を継続的に飲んでいる場合、処方日数を長くすることで1日あたりの調剤料は下がります。ただし、調剤料以外に診察料もかかることを忘れずに。
- 7日処方と28日処方の比較(1剤の例):7日分=28点、28日分=49点(上限)。投薬回数を減らせば4回分の調剤基本料・診察料も節約できます
- 症状が安定していれば、主治医に「リフィル処方箋」や長期処方を相談するのも一つの方法です
※ 調剤料の点数は調剤報酬改定により変更されることがあります。本記事の点数は2024年度改定時点の情報を参考にした目安です。実際の点数は調剤明細書でご確認ください。