「かかりつけ薬剤師」を指名すると薬代はどう変わる?メリットと費用を図解
薬局で「かかりつけ薬剤師」を指名できることをご存知ですか?2016年度の調剤報酬改定で導入されたこの制度は、薬の管理を一人の薬剤師に任せることで安心・安全な服薬をサポートするものです。一方で、指名するとかかる費用が変わることもあります。この記事では制度の仕組みとメリット・費用への影響をわかりやすく解説します。
① かかりつけ薬剤師とは?
かかりつけ薬剤師とは、患者さんが自分で指名した特定の薬剤師のことです。担当の薬剤師が服薬履歴・アレルギー・副作用歴などを継続的に管理し、飲み合わせの確認や生活習慣へのアドバイスなどを行います。
- 複数の病院から処方された薬を一元的に管理してもらえる
- 担当薬剤師の携帯電話番号が提供され、夜間・休日も相談できる
- 在宅医療が必要になった場合も継続してサポートを受けられる
指名するには、薬局で担当薬剤師を決め、同意書にサインするだけです。かかりつけ薬局の中で「この人にお願いしたい」と思う薬剤師がいれば、気軽に声をかけてみましょう。
② 費用はどう変わる?
かかりつけ薬剤師を指名した場合、通常の「薬剤服用歴管理指導料」の代わりに「かかりつけ薬剤師指導料」が算定されます。
通常 vs かかりつけ薬剤師 費用比較
| 算定区分 | 点数(保険点数) | 3割負担の目安 |
|---|---|---|
| 薬剤服用歴管理指導料(通常) | 45〜59点 | 約140〜180円 |
| かかりつけ薬剤師指導料(指名あり) | 76点 | 約230円 |
1回あたりおよそ50〜90円の自己負担増になります。月に1〜2回通院する方であれば、年間で約600〜2,000円程度の差になります。
③ それでも指名するメリットはある?
費用は少し上がりますが、以下のようなメリットが期待できます。
- 飲み合わせのリスク低減:複数の病院・診療科の薬をまとめて確認してもらえる
- 副作用の早期発見:経過を知っている薬剤師だからこそ気づける変化がある
- 残薬の整理:薬の飲み忘れ・重複を防ぎ、無駄な出費を減らせる
- 夜間・休日の相談窓口:急な症状の際に気軽に相談できる安心感
特に高齢者や複数の持病をお持ちの方にとっては、少ない追加負担で大きな安心が得られる制度です。
④ かかりつけ薬剤師の指名が向いている人・向かない人
| 向いている | 向かない | |
|---|---|---|
| 服薬状況 | 複数の薬を長期服用している | たまに薬をもらう程度 |
| 受診頻度 | 月1〜2回以上定期通院している | 年数回の急性疾患のみ |
| 年齢・状況 | 高齢者・持病あり・在宅療養中 | 若くて健康で受診機会が少ない |
「まだ若いし薬もたまにしかもらわない」という方は、費用対効果が低くなることもあります。自分のライフスタイルに合わせて検討しましょう。
⑤ 指名の手続きと注意点
- 薬局で「かかりつけ薬剤師をお願いしたい」と伝える
- 担当薬剤師に同意書を渡してもらい、署名する
- 以降は同じ薬局・同じ薬剤師に担当してもらう(不在時は代替対応あり)
なお、同じ薬局に通うことが前提のため、引越しや薬局の変更があった場合は手続きをやり直す必要があります。また、担当薬剤師が不在の日に来局した場合は、通常の指導料で算定されることがあります。
※ かかりつけ薬剤師指導料の点数・算定条件は調剤報酬改定により変更されることがあります。最新情報は薬局または厚生労働省の発出資料をご確認ください。